糖尿病だと脱毛できない?!理由と関係性について

現代の代表的な成人病の一つである糖尿病。

近年は生活習慣の大きな変化によって、大人だけでなく子供や20代の若者も発症するケースが増加してきました。
ここで問題となってくるのは、特に若い世代で高まっている脱毛の需要と糖尿病の関係です。
脱毛はどんどん料金も安くなり、手軽にトライできるようになっています。
しかし、その一方で、現代病が足かせとなって満足に脱毛できない人たちも増えているのです。
糖尿病だと脱毛はできないのか、そこを詳しく見ていきましょう。

基本的にNG

まず結論としては、「糖尿病は脱毛できない」ということです。
これは脱毛サロンや医療クリニックだけでなく、脱毛器メーカーからも勧められています。
ただ事例としては、糖尿病の初期症状である方は脱毛を行っているケースもあるようです。
肌トラブルなどの問題も起きることなく脱毛できた人もいます。
しかし、基本的にはサロンやクリニックでは施術してもらえない可能性の方が高いでしょう。
どうしても脱毛したい場合は、必ず掛かりつけの医師と相談して許可を得る必要があります。

血糖値の高さ

では、なぜ糖尿病だと脱毛できないのでしょうか。
それには糖尿病特有の症状が理由として考えられます。

糖尿病にはいくつかの症状がありますが、最も代表的な症状が「血糖値が高い」ということです。実は脱毛を行う上で、この血糖値の高さはとても重要になってくるのです。
では、血糖値と脱毛がどのように関わってくるのでしょうか。

糖尿病は、体の血糖値がいつも高い状態になってしまう病気です。
血糖値が高ければ、体内の細胞が水分を吸収しにくくなります。
それは皮膚表面でも起こり、肌が脱水状態に陥るのです。
また皮膚の水分が足りなくなることに加えて、糖尿病の影響で自律神経の乱れが起きます。
すると、汗の分泌もコントロール出来なくなり、皮脂が肌表面で不足します。
これらの悪循環によって皮膚のバリア機能が低下し、肌トラブルのリスクが格段に高くなってしまいます。

このような皮膚の状態で脱毛を受けると、どのような事が起きるでしょうか。
それは言うまでもなく、肌をより悪い方向へと追い込むことになるでしょう。
また糖尿病の方は、皮膚にダメージを受けると治りにくいことで知られています。
血糖値が原因で水分と油が不足することで、これだけの影響が出るんですね。

この部分が最も懸念される為、糖尿病を患っている人には脱毛を施せないのが現状です。

血管と神経の障害

糖尿病は血糖値の高さだけでなく、様々な不調を体に及ぼします。
それは体内にある血管や神経も例外ではありません。

実は血管や神経に現れる障害は、血糖値の高さが原因と言われています。
血液内の糖が増えてると、活性酸素が発生します。
この活性酸素が血管にダメージを与えると、コレステロールがその傷に引っ掛かりやすくなります。コレステロールによって血管が詰まりやすくなり、血液の流れが悪くなっていきます。
ついには全身の血流が妨げられて、血管障害となってしまうのです。

この血管障害が起こると、神経にもダメージが蓄積されていきます。
血流が悪くなれば、毛細血管に十分な血液が行き届かなくなりますよね。
すると、手足の先端に集中する末梢神経の一部が死んでしまうことがあるのです。
当然のように、死んでしまった神経の部分は刺激に対して鈍感になります。
肌で受けた痛みなどの刺激が、スムーズに脳に伝達できなくなってしまいます。

ここでもう一度、このような体の状態で脱毛を受けることをイメージしましょう。
すると、何が起こるでしょうか。

脱毛を受ける部位の神経が死んでしまっていた場合、光線の刺激が入っても痛みをほとんど感じでしょう。
ということは、軽い火傷を負ってしまっても気付かないことも十分に考えられます。
普通の人なら数日もすれば治る火傷や傷も、糖尿病の人にとっては大きな問題なのです。

何故なら、糖尿病は体の免疫機能も低下させてしまうからです。
皮膚のバリア機能だけでなく、体の免疫自体が弱くなれば感染症にもかかりやすくなります。
免疫は主に白血球の機能ですが、糖尿病の方の白血球はその働きが鈍くなっています。
白血球の働きが十分でないと、雑菌やウイルスをやっつけることはできません。
その結果、傷口は化膿します。
しかし、痛みをあまり感じない為、大事には捉えずに放置する可能性もあります。
場合によっては壊死に至ります。

糖尿で脱毛を行うと、最悪このような状況になってしまうことが考えられます。
しかし、ここまでの病状になるのは、糖尿病もかなり進行しているケースが多いようです。

1型と2型

糖尿病は1型と2型に分けられています。
私たちがよく知っている糖尿病は「2型」です。
この2型は乱れた食生活や運動不足などが原因となって発症するタイプです。
糖尿病と診断されるほとんどは、この2型と言われています。

そして、かなり稀に発症するのが「1型」です。
1型は自己免疫疾患が原因となって発症するとされています。
膵臓のβ細胞が壊れてしまい、インスリンが全く分泌されなくなってしまいます。
このタイプを発症した人は、インスリンを補給する為に注射が欠かせなくなります。
インスリンは血糖値を一定の値に保つ働きをしており、人間の生命活動になくてはならないものなのです。

基本的にこの1型と2型は、脱毛においては差はありません。
どちらであっても、糖尿病の進行具合と皮膚や免疫がちゃんと機能しているかによって可否が問われるでしょう。
強いて言えば、インスリン注射は血糖値を極端に下げてしまい、低血糖症やアレルギー反応が起こる可能性があります。
その為、インスリン注射を使用している人が脱毛を行うことはかなり厳しいかもしれません。
医師に必ず判断を仰ぎましょう。

重症の糖尿病を抱えている方は、脱毛よりも先ず治療に専念する方が賢明です。
でも、初期症状の方なら医師と相談すれば、脱毛できるかもしれません。
糖尿病は専門医師でなければ扱うのが難しい病気です。
その為、サロンはもちろん、医療クリニックでも適切な処置を施せない可能性があります。
こうしたリスクも十分に考慮しながら、脱毛を行うかどうかを決めると良いかもしれません。

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