多毛症ってなに?脱毛で治療できる?|原因・症状・治療法

多毛症という病気をご存知でしょうか。

美容やスキンケアを大事にしてる女性にとっては、想像もしたくない病気かもしれません。
しかし、どんな病気なのかを知っておくと適切な対処ができます。
ちゃんと治療すれば治すことができる病気なので、どんな特徴を持っているのかを見ていきましょう。

多毛症とは?

多毛症とは、文字が意味する「毛の本数が増える」という病気ではありません。

正確には毛の太さや色が濃くなることを指しています。
この事からも分かるように、実際には毛の量は増えていなくても濃くなったと感じてしまいます。女性は毛深くなってしまうと、それだけで精神的ストレスを抱えてしまいますよね。

全身に生えている細い毛は、軟毛と呼ばれています。
軟毛は柔らかくて短く、色が薄いことが特徴です。
これに対して硬毛は長く、メラニン色素を多く含んでいます。
硬毛は頭髪、眉毛、まつ毛、陰毛、男性のあご髭などが挙げられます。
特に女性では生えてこない胸や太もも裏側、腹部に硬毛が生えてくると、多毛症の恐れがあります。

多毛症の種類と原因

一般的に多毛症は「男性型多毛症」と「無性毛型多毛症」の2種類があります。
この2種類で、女性の多くが発症するのは男性型多毛症とされています。
その理由は、女性の場合は多嚢胞卵巣症候群が原因となって多毛症を併発しているケースが多くみられるからです。

多嚢胞卵巣症候群とは、卵胞の成長に過度の時間が掛かり、排卵しにくくなる病気です。
また月経周期が乱れて男性ホルモン濃度が高くなります。
他にも声が低くなったり、ニキビが増える、乳房が小さくなるなどの症状が出てきます。
簡単に言えば、ホルモンバランスが崩れることで体質が男性に近づくとイメージすれば良いかもしれません。
そして、男性の特徴の一つである体毛が濃くなる症状も起きてしまうのです。

もう一つの無性毛型多毛症は、性別や男性ホルモンは関係がありません
全身性の疾患や薬剤(ステロイド剤、免疫抑制のシクロスポリンなど)を使用することが原因になり、多毛症を引き起こすことがあります。

どこからが多毛症なのか

次に硬い毛がどれくらい生えてくると多毛症なのでしょうか。
まずセルフチェックを行いましょう。

・産毛が生えていたところに硬毛が生えている
・今まで体毛がなかった場所に硬い毛が生えている
・最近になって髪の毛がよく抜けるようになった
・ニキビができやすくなった
・生理不順、月経不順で生理の間隔が長くなっている

これらに当てはまる方は、多毛症の疑いがあるので病院で診察を受けましょう。

病院では医師が以下の箇所に生えている毛をチェックしていきます。

・口周り
・あご髭
・お腹
・胸毛
・陰毛からおへそ周り
・うで
・足
・背中
・お尻

毛の状態を軽度の1点〜4点と段階に分けます。
上記の箇所に点数をつけて、8点以上なら軽度の多毛症と判断されて治療の必要があります。
診察は女性なら内科か婦人科、子供は小児科で診てもらうことができます。

多毛症の治療法

では、多毛症にはどんな治療法があるのでしょうか。

男性型多毛症の約90%は、多嚢胞性卵巣症候群特発性多毛症が起因しているそうです。
続発性の多嚢胞性卵巣症候群の治療は、卵巣・副腎・下垂体に異常がないかをチェックして薬剤投与を行っていきます。
卵巣・副腎・下垂体はホルモン分泌と、それをコントロールする働きがあります。
ここの働きが弱くなっていたり、腫瘍が出来ていたりすると、ホルモンの分泌を上手く制御できなくなります。
病院によって処方に違いがありますが、一般的にはホルモンバランスを整える低用量ピルや抗ホルモン剤(スピロノラクトン)を使用します。

スピロノラクトンは聞き慣れない薬剤ですが、副腎から分泌されるアルドステロンを抑える働きがあります。
アルドステロンはナトリウムや水分を体内に溜めるような作用を持っています。
このホルモンは浮腫(むくみ)を起こす原因の一つです。
スピロノラクトンは、むくみの解消や血圧を下げる効果がある広く普及した薬剤なのです。

次に特発性多毛症は治療の必要性がないと言われています。
これは男性ホルモンの増加が原因ではなく、遺伝や体質によって特異的に男性ホルモンの影響を過敏に受けていることが理由だそうです。
対処としては、血中にある男性ホルモンの量を抑えて除毛を行っていきます。
しかし、この特発性多毛症の診察に関しては保険の適用が効かない場合があります。

治療しても多毛症の改善がなかなか見られない場合、脱毛と薬剤を併用する治療法もあります。
これは続発性や特発性に関わらず、一時的な脱毛としての効果があります。
薬剤の効果が出るまで約3ヶ月はかかるそうなので、その間にこまめに剃毛する必要があります。

こまめにケアすることが面倒くさいという方には、光脱毛や永久脱毛がお勧めです。
ただ服用する薬剤によって、脱毛を行うと副作用が起こる可能性が高くなることがあります。
医師とよく相談した上で脱毛を行い、多毛症の完治を目指していきましょう。

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