脱毛でシミが消えるって話を耳にする時があります。
これは主に医療レーザー脱毛で用いられるアレキサンドライトレーザーという脱毛器が持つ特徴を指しています。
元々、このレーザー脱毛器はシミやそばかすを除去する為に医療現場で使われていました。
脱毛と併せてシミやそばかすも薄くしたい方に勧められているレーザー脱毛なのです。
しかし、一方では、脱毛するとシミが出来るということも聞きますよね。
脱毛をすると、本当にシミができてしまうのでしょうか。
また出来てしまったら時の注意点や対策も見ていきましょう。
脱毛で本当にシミが出来るのか?
結論から言うと、脱毛で肌にシミが出来てしまうことに医学的な根拠はないと考えられています。その理由は、脱毛器のレーザーにシミの原因と言われる紫外線が含まれていないからです。
これは光脱毛や家庭用脱毛器にも同じことが言えます。
では、なぜ脱毛でシミが出来てしまうことが囁かれているのでしょうか?
これにはいくつかの理由が挙げられます。
一つ目は、脱毛でムダ毛がなくなり、今まで目立たなかった肌のシミやホクロが露出するようになるという場合です。
またそのシミやホクロに光線照射をすると、一時的な軽い火傷の状態になることがあります。
この火傷によって、元々あったシミが以前よりも濃くなったと感じてしまうのです。
二つ目は、肌にヤケド痕が残ってしまうという場合です。
光脱毛やレーザー脱毛は、光線によって毛根にダメージを与えることで毛の発育を抑制します。
どのように毛根へダメージを与えることができるのでしょうか。
それは毛根にある「メラニン」が理由です。
脱毛器から照射されるレーザーは、メラニンという黒い色素に反応して熱を発生させる仕組みになっています。
その為、肌表面にメラニン色素を含む小さいシミがあった場合、そのメラニンにも反応してしまうのです。
発生した熱によって肌表面が火傷を負いやすくなり、新しく発生したヤケド痕がシミのように見えてしまうのです。
三つ目は、ターンオーバーによる肌の活性化です。
ターンオーバーとは肌が生まれ変わるサイクル、もしくは細胞の新陳代謝のことを意味しています。肌の構造は4層になっています。
表面から順に、角質層・顆粒層・有棘層・基底層と構成されています。
新しい肌や細胞は最下層である基底層で作られて、時間と共に上へと押し上げられて角質層に届きます。
すると、肌表面にある古い角質層は垢となって剥がれ落ちます。
この一連のサイクルが、ターンオーバーと言われています。
またターンオーバーは、一般的に20代で約1ヶ月(28日前後)でサイクルします。
年齢を重ねていくことで徐々にスピードが緩やかになり、40代になると約40日〜56日のペースに変化していきます。
この周期が遅くなればなるほど、肌のシミが残る可能性が大きくなります。
そこで、光脱毛やレーザー脱毛で肌が刺激されると、このターンオーバーが活性化されます。
ターンオーバーが促されて、今まで古い角質の下に隠れていたシミなどが肌表面に押し出されてきてしまうのです。
このように一見すれば、脱毛によってシミやホクロが増えてしまったと心配になります。
しかし、それは脱毛が直接的な原因ではなく、主に一時的な火傷や肌の下に出来ていたシミが露出してきたと考えた方が良いかもしれません。
シミがあっても脱毛できるのか?
ちなみにシミがあっても脱毛をすることはできるのでしょうか。
結論から言うと、シミの濃さによって脱毛可能かどうか変わってきます。
シミの色素が薄い場合は、光線を照射しても問題はないと言われています。
しかし、ホクロや色が濃いシミは火傷のリスクが高くなるので、脱毛サロンやクリニックでは上からシールを貼って施術を行います。
シールを貼ることで、肌トラブルを避けながらホクロやシミ周りのムダ毛も脱毛できるようです。
シールを貼ったり、ホクロやシミなどの箇所を避けたりしても脱毛プランは消化されていきます。
回数や費用を無駄にしない為にも、通院しているサロンやクリニックと事前に相談しておきましょう。
またシミが薄くなるまで脱毛をお休みすることも選択肢の一つです。
脱毛プランの休止手続きや掛かる解約手数料なども契約前にチェックしておくと良いでしょう。
では、もし火傷を負ったり、肌のターンオーバーが活性化してシミが目立った時は、どのように対策すれば良いのでしょうか。
アフターケアの重要性
脱毛をすることで肌は軽いヤケドを負ったような敏感な状態になります。
ここで肌のコンディションを整えることを怠ってしまうと、シミや色素沈着が起きやすくなってしまうと言われています。
その為、まずは肌の保湿というスキンケアの基本に気を配っていきましょう。
また肌のターンオーバーが活性化してきた時は、そのサイクルのスピードを適切に保つことがポイントと言われています。
スピードを保つには肌の保湿はもちろん、十分なバランスの良い栄養摂取と睡眠が大事です。
特に現代人にとって疎かになりがちな睡眠時間は、肌の新陳代謝の為にしっかりと取ってあげましょう。
実は睡眠によって肌の活性酸素を取り除くメラトニンが分泌されます。
この活性酸素がメラトニンによって除去されることで、肌のターンオーバーが正常化します。
そして、入眠を夜10時から深夜2時までの間にすることで成長ホルモンを多く分泌させることが出来ます。
この成長ホルモンによって肌が新しく生まれ変わる時間を得ることができるのです。
このように栄養と睡眠を十分に取ることは、脱毛によって目立ったシミを薄くする為にも大切な要素と言えます。
また、脱毛クリニックや皮膚科で事情を説明したのち、シミを薄くする効果のあるハイドロキノンが配合されたクリームや軟膏などを処方してもらうのも一つの手です。
以上の点をしっかり対策していけば、脱毛による肌トラブルを最小限のリスクに抑えることができるでしょう。