美容整形をしていても脱毛ってできるの?

近年の美容において、男女ともに美意識が高まってきた傾向が見受けられます。
美容整形はひと昔前まで否定的な見解が多くみられていました。
しかし、時代とそれに伴う価値観は変化し続けており、整形が肯定的になりつつあるようです。

そんな美容整形への需要が高まる一方、大きなジレンマを抱えることもあります。
それが「脱毛」です。
美しくなりたい女性なら誰しもが必要とする脱毛は、実は美容整形後に行うことが難しいと言われています。
では、美容整形してても脱毛はできるのかを詳しくみていきましょう。

美容整形と脱毛

結論から述べると、基本的に美容整形をした直後の箇所は脱毛できません。
その理由は、手術後の傷跡は色素沈着が起きやすいとされているからです。
これは美容整形だけでなく、色素沈着が起こっている傷跡やタトゥーが入っている箇所も同様の理由でNGを出されることが多いようです。

脱毛器の光線は、毛穴のメラニン色素に反応して毛根を破壊することができます。
その性質上、肌にあるホクロやシミなどのメラニンにも反応してしまうのです。
光線がそれらのメラニンに反応してしまうと、ヤケドを負ったり、肌トラブルを起こすことがあります。
傷跡も色素沈着を起こしている場合、その色素に光線が集中します。
脱毛効果は下がりますし、肌へのダメージも避けられません。
このような理由から、美容整形後の傷跡への脱毛は行わない方が賢明という意見が一般的です。
しかし、色素沈着が起こっていない手術痕であれば、脱毛できる可能性があります。
医師にまず相談してみることをお勧めします。

脱毛を妨げる色素沈着

手術によって出来た傷跡は、なぜ色素沈着を起こしてしまうのでしょうか。
その理由は「紫外線」にあると言われています。

色素沈着は手術痕に限らず、女性の悩みとして多いニキビや虫刺され、湿疹、火傷などの炎症が起因となって発生します。
これは表皮に存在するメラノサイトという色素細胞が、自分の体を守ろうとしてメラニンを分泌してしまうのです。

メラニン色素はシミの原因としても知られている為、一般的に悪者のようなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、メラニン色素の本来の役割は、私達の肌を強い刺激から守ってくれるガードマンなのです。
体に必要不可欠な大事な機能なんですね。

たとえメラニン色素によってシミが出来たとしても、肌のターンオーバーによって少しずつ皮膚の表面に押し出されます。
シミはいずれ自然に消えてしまうことがほとんどです。

しかし、その色素沈着を起こしている部分に紫外線が当たってしまうと、シミが残りやすくなってしまうのです。
もう少し具体的に表現すれば、紫外線は色素沈着を更に強くしてしまう作用を持っていると言えます。

この紫外線が美容整形後の傷跡に当たってしまうと、手術痕への色素沈着を促してしまいます。
色素沈着は、美容整形後の脱毛を妨げる一番の理由なのかもしれませんね。

色素沈着を消すには?

色素沈着がいかに脱毛へのハードルになっているかが分かりました。
脱毛を行う可能性を出来るだけ高くするには、手術痕を紫外線から守ることが最優先になります。しかし、すでに色素沈着が起きてしまっている場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。色素沈着を消す方法はあるのでしょうか?

色素沈着はちゃんと治療法があり、皮膚科でも薬を処方してもらえます。
最も一般的な治療薬として用いられるのが、「ハイドロキノン」と呼ばれる成分が含まれたクリームです。

ハイドロキノンとは、コーヒーやいちご、麦芽などに多く含まれている天然由来の成分として知られています。
酵素チロジナーゼを阻害する働きを持っていて、メラニン生成を抑える効果が期待できます。
またメラノサイトに働きかけてメラニンを減少させたり、紫外線によって酸化されて黒くなったメラニンの色を薄くする作用もあります。
つまり予防と治療のどちらにも使用できる薬なのです。

もちろん、人によっては副作用を起こす可能性も考えられます。
肌が弱い女性であれば、炎症や赤みが出てしまうことがあるかもしれません。
また長期間に渡って使用すれば、メラニン色素の働きが弱くなり、部分的に肌の色が抜けてしまうことも稀に起こるようです。

ハイドロキノンは病院で処方してもらえますが、市販もされています。
薬局で売られているクリームには、「ハイドロキノン」「HQ」配合と記載されているはずです。
ハイドロキノンの含有量によって値段は変わり、約5,000〜10,000円の間で販売されています。

また皮膚科では薬の処方だけでなく、レーザーによる治療も行われています。
レーザーによる色素沈着の治療は、効果が高いことで知られているようです。
また短期間で治療を終えることが出来ることも大きなメリットかもしれません。

美容整形後はなるべく紫外線を浴びないように注意し、傷跡にメラニン色素が起きないようにケアしてあげましょう。
そうすることで、美容整形後も問題なく脱毛を行える可能性がグッと近づくはずです。
ぜひ参考にしてみて下さい。

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