ニードル脱毛(電気脱毛)の基礎知識

光脱毛やレーザー脱毛の発達により、誰でも手軽に脱毛を行える時代になってきました。
しかし、このどちらも “ 半永久的 “ な脱毛効果として一般的に知られており、いずれは毛が再び生えてくる可能性が僅かにあります。
では、” 永久的 “ に脱毛する方法があるのでしょうか。
その答えが「ニードル(電気)脱毛」と呼ばれる脱毛方法です。

ニードル(電気)脱毛とは?

まずニードル( needle )というのは、英語で縫い針や注射針を意味します。
ニードル脱毛とは、直径 0.05 mm から 0.15 mm の太さの針を毛穴に差し込み、電気を流して毛根を腐食させる脱毛方法です。
電気を流す時間は、約 10 秒から 20 秒です。
この電流で起こされた熱によって毛根にダメージを与えることが出来ます。

光脱毛やレーザー脱毛との大きな違いの一つが「毛が生えた状態で行う」という点です。
その理由はシンプルで、毛が生えていなければターゲットとなる毛穴を見つけることが難しいからです。
また毛が生えているので、毛を伸ばしながら施術を行うという特徴も持っています。

ニードル脱毛の歴史

では、この電気脱毛はどのようにして作られたのでしょうか。

実はこの脱毛方法は、2 種類の脱毛方法をミックスして作られたものなのです。
その 2 種類の脱毛方法とは「電気分解法」と「高周波電流法」と呼ばれる方法です。

電気分解法は、1875 年にアメリカの眼科医であった “ チャールズ ・ E ・ ミッチェル博士 “ が逆さ睫毛の治療法として使用したことが起源とされています。
そして、1916 年にニューヨークの ” ポール・N・クリー氏 ” がこの治療法を脱毛の施術方法として応用しました。
これにより医師以外の人たちでも脱毛施術を行えるようになり、技術者が増加したことで全米に広く認知されるようになりました。

熱解離法とも言われるこの電気分解法は、
① 発毛組織に直流電流を流して組織液を電気分解する。
② その時に出来るアルカリ液(水酸化ナトリウム)が毛包組織を破壊して脱毛する。

というプロセスで、永久脱毛を可能にしました。
1924 年には、フランスの “ アンリ・ボルディエ博士 “ が高周波電流による脱毛法を開発しました。

高周波電流法とは、
① 高周波によって加熱作用を起こす。
② その熱によって発毛組織を凝固させて機能停止させて脱毛する。

というプロセスによって永久脱毛を行います。
これら二つの脱毛方法の長所を組み合わせて作られたのが、現在主流となっている電気脱毛なのです。

1948 年に “ アーサー・R・ヒンケル氏 “ と “ ヘンリー・E・セント・ピーエル氏 “ が、電気分解法と高周波電流法のそれぞれの長所をより活かすために共同開発したことがキッカケです。
この事からニードル(電気)脱毛法を「ブレンド脱毛」と呼ぶこともあります。

1970 年代には、日本にもこのブレンド脱毛法が輸入されて、美容外科や皮膚科などの病院、エステサロンで施術が受けられるようになりました。

ニードル脱毛のメリット

ニードル脱毛のメリットは、脱毛を行った箇所の毛は二度と生えてこなくなるという点です。
ムダ毛を 1 本ずつ脱毛していくので、確実性は光脱毛やレーザー脱毛よりも上です。

この確実性に加えて、施術できる範囲が広いこともメリットの一つです。
濃くて太い毛から産毛などのあらゆる毛質にも対応でき、眉毛やアンダーラインなどの細かい箇所であっても脱毛することが可能です。
ニードル脱毛は、確実性と守備範囲の広さを兼ね備えた脱毛方法なのです。

 ニードル脱毛のデメリット

一見して敵なしに思えるこの電気脱毛ですが、デメリットもいくつか持ち合わせています。
まずは「痛み」です。
光脱毛やレーザー脱毛では、光線を照射する強度を調節して肌に影響が出にくいように作られています。
その分、痛みもほとんど感じることがなく脱毛を行うことができます。

ところが、この電気脱毛は針を毛穴に差し込んで電気を流すため、痛みに耐えながら施術を受けなければいけません。
針による痛みではなく、電流によって発毛細胞が破壊される時に生じる痛みのようです。
人によっては麻酔をしなければ、我慢できない人もいるぐらいです。
痛みだけでなく、毛穴が赤くなったり晴れたりする可能性もあります。
ニードル脱毛はより肌のアフターケアに注意を払う必要性が出てきます。

また時間と費用が掛かることもデメリットの一つです。
1 本ずつ脱毛する為、かなりの時間が掛かります。
また一回の施術で掛かる費用も高く設定されています。

ちなみに大手エステの TBC では、ビジター価格で 1 本につき 130 円から 143 円の料金がかかります。
メンバー会員であれば、108 円から 119 円の間で施術を受けることができるようです。
毛の量と施術回数によって上下しますが、両ワキの脱毛に掛かる費用は平均して 30 万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

ニードル脱毛のメリットとデメリットを比べてみると、永久という価値にはそれなりの対価を支払う必要があることが分かります。
脱毛効果は多くの実績で保証されている方法なので、時間と費用、そして痛みに耐える強い意思があればチャレンジしてみる価値はあるでしょう。

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