万が一、脱毛サロンやクリニックが倒産・閉院してしまったら?【コラム】

脱毛サロンやクリニックでの脱毛プランを見ると、全身脱毛で数十万円の契約になります。

これだけ高額になると、私たちの頭の中である不安がよぎります。

「契約はしたけど、このサロンは倒産したりしないだろうか…」

この御時世ですから、どんなに大手の企業や会社でもいつ倒産するかは分かりません。
最近では、てるみくらぶの倒産が話題になりましたね。
脱毛サロン業界も然りで、これまでも倒産したサロンはいくつもあります。
万が一、自分の通ってきた脱毛サロンやクリニックが倒産してしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
最悪な状況を事前に想像して、冷静な判断ができるように備えておきましょう。

倒産したらどうなるの?

倒産とは、一言で言えば「会社の営業を続けられなくなる状態」を指す言葉として使われています。意外と知られていないのですが、”倒産”という言葉自体はあまり法律の中で用いられるものではないそうです。
法的によく使われる表現が”破産”です。
これは会社が不渡りを出したり、民事再生法・会社更正法・破産申請した状態のことをいいます。
会社が破産すれば、まず会社に残っている資産を従業員の給料に優先して使われます。
その後に契約していた顧客への返金手続きに入ります。
しかし、大抵の破産した会社には返金できるだけの余力は残されていないのが現実です。

こうした現実からまず知っておきたいこと、それは「まずお金は私たちには返ってこない」ということです。
通っている脱毛サロンが倒産してしまったら、利用者の「お金を返してよ!」という叫びは届くことはありません。

被害を最小限に食い止めるには?

そんな悲しい現実を知ったとしても、何とか損害を最小限にしたいですよね。
その為には契約をする段階からしっかり準備をしておく必要があります。
では、具体的にどのようなことをしていけば良いのでしょうか。

・サロンの客入りなどをチェックする

必ず見ておきたいポイントは、休日の脱毛サロンでの客入りをチェックすることです。
経営が上向きで業績を残している脱毛サロンは、休日の予約を入れることが難しいのです。
まず予約が常に詰まっているかどうかを見ていきましょう。
また加えて、その脱毛サロンが近年でどれだけ店舗数を伸ばしているかも経営状況を見定める基準になります。
経営不振に陥っていれば、店舗数は伸びるどころか落ちている傾向があります。

・ローン支払いにする

これが最も大事な保険と言えるかもしれません。
契約したプランを必ず月額制で「カードローン」での支払いにすることです。
なぜこの支払い方法にする必要があるのでしょうか。

その理由は、”支払停止抗弁権”という権利が債務者についてくるからです。
これは商品やサービスに問題がある場合、クレジット会社に対して代金の支払いを拒むことができる権利です。
これを行使すれば、脱毛サロンが倒産した時に月賦の支払い金を差し止めることが出来ます。
倒産・破産してしまったら、まずクレジット会社に電話して対処を協議して下さい。

ちなみにこの権利を主張するには、いくつかの条件があります。

①割賦購入クレジット契約であること
②指定商品・指定権利・指定役務であること
③2カ月以上の期間にわたる3回以上の分割払いであること
④販売業者に対し抗弁事由があること
⑤支払総額が4万円以上であること(リボルビング方式の場合は3万8000円以上であること)
⑥契約者にとって商行為とならないこと(事業者の契約や商行為の場合は適用されません)

※④の抗弁事由とは、事象が起こった直接的な原因を指します。

これらの条件に当てはまっていれば、倒産や破産といったリスクに保険をかけることができますね。

逆に現金で支払ったお金は一切戻ってくることはありませんので、諦めるしかないようです。
なので、現金払いを強く勧めてくる脱毛サロンやクリニックは、経営不振と倒産の可能性を疑う必要があります。

【脱毛】エステローン&医療ローンってどういう仕組み?

・テレビに流れるCMなどをチェックする

脱毛のコースを契約して通院してからも、色んな情報にアンテナを張っておきましょう。
そこで、サロンの業績の状態をチェックする上で判断しやすいのがCMです。
業績が傾けば必然と広告料が捻出できなくなり、テレビや新聞で広告を見なくなります。
この兆候が見えたら、危険信号が出ていると考えて下さい。
またCMは流れていてもお金のかけ方が安っぽくなったなど、CMの質にも目を配ると良いかもしれません。

2017年4月 脱毛サロン エターナルラビリンス倒産

脱毛サロン「エターナルラビリンス」を経営するグロワール・ブリエ東京が倒産しました。
エステティック業界で過去3番目の大型倒産と言われており、一般会員約9万人に影響を出しています。
全国に100店舗近く展開し、売上も約28億円を出していた大手脱毛サロンです。
しかし、脱毛サービスや支払い方法を誤認させる広告が問題となり、一部業務停止命令(9ヶ月間)が出されていました。
これを機に解約が相次ぎ、業績が悪化して経営破綻に陥りました。
負債額は49億6400万円と言われています。
たとえ大きい脱毛サロンでも一気に倒産へと落ち込んでいった代表的な例です。

予測がつかない今の時代にあって、大手・個人などの規模はあまり関係がないのでしょうか。
いかに健全な経営をしているか、その本質を私たち自身が見定めていくことが大事なのです。

ちなみにこのエターナルラビリンスは、現在同じ脱毛サロン「ミュゼプラチナム」より支援を受けて店舗と従業員を引き受けてもらっている様です。
ミュゼプラチナムも経営難でありましたが、株式会社RVHというM&Aで急成長してきた会社に子会社化してもらい、黒字転換に成功しています。
エターナルラビリンスも同様に、ミュゼプラチナムを介して(株)RVHの子会社として傘下に入っています。

この救済措置によって、エターナルラビリンスで契約していた人たちは、ミュゼプラチナムで引き続き脱毛サービスを受けることが出来るようです。

しかし、一括払いで契約した人たちは、追加料金をミュゼプラチナムに支払う必要があります。
その金額は契約したプランの定価35%とされています。
分割払いで契約した人たちは、基本的にはミュゼプラチナムにそのまま今後のローンを支払う形になるようです。
ミュゼプラチナムが未納のお金を受け取る形になるので、追加料金は払わなくて済みます。

一括払いの人の中にはこの対応に不満を抱えている人も多く、解約して医療クリニックで新たに契約し直して脱毛を行っている人もいます。

救済措置といっても、このようにサービスに差が出てきてしまいます。
やはり契約するまでにちゃんと的確な判断が出来るかどうかが、これらのリスクを回避する最適な方法なのかもしれません。

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